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2020.07.20

差し迫るタンパク質危機

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リサーチの背景

私たちはおいしい食事をとると幸せを感じます。
しかしこのままでは、その食事構成が大きく変わってしまう可能性があります。
なぜなら、ウナギ・マグロの絶滅危惧種認定や「タンパク質危機(protein crisis)」問題により、
肉や魚などの食用肉供給不足が発生するからです。
これらは有限である資源を意識せずに使用し続けた結果、起きている問題です。
本稿では「タンパク質危機」に評される環境問題について掘り下げていきます。

2030年に食用肉が食べられなくなる?

現在の人口増加ペースが続くと、全世界の人口は2050年に90億人を突破すると予想されています。
さらに、新興国の食生活の向上(肉食化)によって、2050年には2005年時のタンパク質の2倍の供給量が必要になると言われています。
そのため、早ければ2030年頃にはタンパク質の供給が追い付かなります。

タンパク源となる食用肉の中で、特に牛の畜産では、11kgの飼料用穀物を与えても1kg分の食肉しか確保できません。
また牛が育つまでに必要な水は同量の栄養素をもつ穀物が育つまでに必要な水の10倍と言われています。
そして飼料用穀物の代表格である大豆は農地の7割が飼料用に使われており、その農地を増やすために森林が消失しています。
それだけタンパク質の中で食肉というのはラグジュアリーと言えるでしょう。

食用肉に替わるタンパク質

食用肉に替わるタンパク質

現状が続いた場合、近い将来に食用肉を食べることが難しくなります。
現在、食用肉の代替タンパク質が研究・商品化されています。数ある代替タンパク質の中で一番生産が進んでいるのが人工肉(大豆肉)です。
近年ではベジタリアンやビーガンブームの影響もあり、特にアメリカで人工肉ハンバーガー等の供給が増えています。
しかし、食用肉同様、政策無しに大豆の生産量を増やしていくと自然環境・生物多様性を失ってしまうとWWFは警告しています。
環境負荷の高い家畜の飼料用途から食用用途へ切替など変革が必要なのではないのでしょうか。

大量生産・大量消費が招いた代償

大量生産・大量消費が招いた代償

いつも当たり前のように食べている食材ですが、人口増加、水不足の問題から近い将来、当たり前に食べられなくなってしまうかもしれません。
将来に起きる食用肉の供給不足の大きな原因は、資源の有限性や環境負荷の関連性を考えた政策を取らずに生産し続けたことにあります。
それは食用肉だけでなく、全ての資源も同様です。大量生産・大量消費は限界を迎え、これからは循環型および持続可能な生産への改革が必要です。
この問題は個人の意識改革も不可欠です。
イギリスの歌手が始めた月曜日に肉を食べない運動「ミートフリーマンデー」などのように
消費者も資源の有限性の意識し、選び行動することが重要ではないでしょうか。

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参照・引用資料

・藻ディア「タンパク質危機(protein crisis)」 ttps://modia.chitose-bio.com/articles/40/ 
・農林水産省資料「知ってる?日本の食糧事情」平成27年10月 https://www.maff.go.jp/chushi/jikyu/pdf/shoku_part1.pdf
・インポッシブル・フーズ https://www.businesswire.com/news/home/20180405006387/ja/
・仮想水計算機 環境省 https://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html
・拡大する大豆栽培 WWF  https://www.wwf.or.jp/activities/upfiles/20140707wwf_soy.pdf
・食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書 国際連合食糧農業機関(FAO)
  https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03830870295 
・培養肉 科学技術振興機構 https://sciencewindow.jst.go.jp/articles/2019/1024.html

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