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コラム 2021.07.28

ロードマップ解説①-地方からはじまる脱炭素、新たな時代への移行戦略

0. はじめに

2020年10月、菅総理が2050年カーボンニュートラルを宣言した際に、「国と地方で検討を行う新たな場」を立ち上げるとの方針が打ち出され、「国・地方脱炭素実現会議」が設置されました。

本会議では、国と地方の協働・共創による地域における2050年脱炭素社会の実現に向けて、特に地域の取組と密接に関わる「暮らし」「社会」分野を中心に、国民・生活者目線での2050年脱炭素社会実現に向けたロードマップ及びそれを実現するための関係府省・自治体等の連携の在り方等について検討され、議論の取りまとめが行われます。2020年12月には第1回目の会議が開催され、2021年6月9日の会議においては「地域脱炭素ロードマップ」が決定いたしました。

 

1.  ロードマップの概要

本ロードマップでは、地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させる地方創生に資する脱炭素に国全体で取り組み、さらに世界へと広げるために、特に2030年までに集中して行う取組・施策を中心に、地域の成長戦略ともなる地域脱炭素の行程と具体策を示しています。

2030年度目標及び2050年カーボンニュートラルという野心的な目標に向けて、これから5年間に、政策を総動員し、国も人材・情報・資金の面から、積極的に支援するとしています。

これにより、
① 2030年までに少なくとも脱炭素先行地域を100か所以上創出
② 脱炭素の基盤となる重点対策として、自家消費型太陽光や省エネ住宅などを全国で実行
することで、地域の脱炭素モデルを全国に伝搬し、2050年を待たずに脱炭素達成を目指すとしています。

 

2. 全体像

▶ 地域脱炭素ロードマップ【概要】, 国・地方脱炭素実現会議(内閣官房), 令和3年6月9日

脱炭素先行地域では、地方自治体や地元企業・金融機関が中心となり、地域特性等を活かして、地域課題を解決し住民の暮らしの質を向上しながら脱炭素に向かう先行的な取組を実施するとともに、国も積極的に支援するとしています。このような考え方で、脱炭素先行地域の要件については、地域が主体となり、地域特性に応じた効果的な手法を活用し、民生部門すなわち家庭部門や業務その他部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等についても、国全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現するとしています。そして、これらの実現の道筋を、2025年度までに立て、2030年度までに実現を目指します。

 

3.  重点対策

また、脱炭素に向けて、地方自治体・事業者が何をすべきか、できるのか、脱炭素先行地域を含め全国津々浦々で取り組むことが望ましい脱炭素の基盤となる重点対策を以下の①~⑧の通り示しています。

① 屋根置きなど自家消費型の太陽光発電
② 地域共生・地域裨益型再エネの立地
③ 公共施設など業務ビル等における徹底した省エネと再エネ電気調達と更新や改修時のZEB化誘導
④ 住宅・建築物の省エネ性能等の向上
⑤ ゼロカーボン・ドライブ(再エネ×EV/PHEV/FCV)
⑥ 資源循環の高度化を通じた循環経済への移行
⑦ コンパクト・プラス・ネットワーク等による脱炭素型まちづくり
⑧ 食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立

 

4.  基盤的施策

さらに、脱炭素先行地域づくりと重点対策の全国実施を後押しするため、以下の3つの基盤的な施策を行うとしています。

① 地域の実施体制構築と国の積極支援
② グリーン×デジタルによるライフスタイルイノベーション
③ 社会全体を脱炭素に向けるルールのイノベーション

 

5.  個別分野別の対策・促進施策と今後の取組み

地域脱炭素への移行・実現に向けた取組の加速化の観点から、脱炭素事業に意欲的に取り組む地方自治体や事業者等を集中的、重点的に支援するため、資金支援の仕組みを抜本的に見直し、複数年度にわたり継続的かつ包括的に支援するスキームを構築するとしています。

 

▶ 地域脱炭素ロードマップ【概要】, 国・地方脱炭素実現会議(内閣官房), 令和3年6月9日

 

そして、ロードマップの内容については、地球温暖化対策計画、長期戦略や成長戦略実行計画、地方公共団体実行計画等に反映し、国・自治体・地域企業等が一丸となって速やかに実践していくとともに、特に際立った地域の取組は、国際会議の場などを活用して発信し、気候変動問題に対する世界全体の対処に貢献していくとしています。

 


地方からはじまる次の時代への移行戦略として「地域脱炭素ロードマップ」の解説をお伝えしました。皆さまのご参考になりましたでしょうか。今後も廃棄物や資源に係る環境対応の最新情報をお届けしてまいります。どうぞお楽しみに!

 

 

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この記事を書いたアナリスト

サティスファクトリー編集部

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