2018.10.29

日本の廃棄物処理の歴史

前回は、世界と日本のリサイクル率についてお伝えしました。
(日本の廃棄物リサイクル率: https://www.sfinter.com/topics/post-502/ )
今回は、日本の廃棄物処理の変遷と、日本のリサイクル方法を取り上げます。

日本の廃棄物処理の歴史

日本の廃棄物処理の歴史は、以下の3つの時代に大きく分けられます。

1. 公衆衛生向上の時代(1800年代後半〜1900年代前半)

当時は廃棄物処理に関する法規制がなかったため、
排出者が自己処理するか、民間の廃棄物処理業者がごみと有価物(売り値がつくもの)の選別を行い、
有価物を売却することで利益を得てた一方で、
不衛生な環境のため伝染病が流行し、徐々に公衆衛生の向上が求められるようになりました。
そして、1900年に公衆衛生の改善をはかる「汚物掃除法」が施行されました。
戦後は、経済発展及び都市への人口集中に伴って急増する都市廃棄物への対応が急務となりました。
その他公衆衛生上の多くの問題もあり、それらの課題に対応すべく、
「清掃法」が制定され、この頃から収集の効率化・衛生的な収集作業を目的に、収集作業の機械化が進みました。

2. 公害問題と生活環境の保全の時代(1960年代〜1970年代)

高度経済成長により国民の生活様式に大きな変化がみられました。
販売方法・消費行動が大きく変わったことで、
大量生産・大量消費・大量廃棄の時代に入っていきます。
さらに、工業化の発展による公害などが大きな社会問題となりました。
このような状況に対応するため清掃法を全面的に改正し、
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)を制定しました。
廃棄物処理法では、廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物にわけ、産業廃棄物は排出事業者自身に、
処理責任を有することと決まりました。

3. 循環型社会の構築の時代(1980年代〜)

バブル景気による消費増大や生産活動の拡大によって、廃棄物排出量は増加し続けました。
大量に廃棄物が増えたことで最終処分場の不足が課題となりました。
さらに、焼却施設から有害なダイオキシン類が検出されたことで
地域住民の焼却施設建設反対運動も高まりました。
廃棄物の発生量が依然として増加している問題や、
それに伴う最終処分場の不足等の問題の抜本的解決を図るため、
1991年の廃棄物処理法改正において、廃棄物の排出抑制と分別・再生(再資源化)が法律の目的に加わりました。

最終処分場残余年数が増加している?

最終処分場とは、廃棄物の埋め立て施設のことで3つの種類があります。

1)遮断型最終処分場
完全に自然界から隔離して、埋め立てる処分場。
金属や有害な物質を含むもの。環境省令の判定の適合外の廃棄物や、有害な特別管理産業廃棄物など。

2)管理型最終処分場
二重者断層、発生ガスの適正管理などが含まれる処分場。
環境省令の判定の適合外の廃棄物や、有害な特別管理産業廃棄物などのうち遮断型でしか処理できないもの以外の産業廃棄物。 

3)安定型最終処分場
有害物や、有機物が付着しておらず、雨水等にさらされてもほとんど変化しないもの。廃プラスチックやがれき類など。

最終処分場残余年数
現存する最終処分場(埋立処分場)が満杯になるまでの残り期間の推計値。
今後の埋立可能量(残存容量)と当該年の年間埋立量(最終処分量)を比較して推計した指標。
首都圏の残余年数は本年、あと5年を切ってしまいました。
しかし、全国で見ると若干残余年数が増えてます。
理由の一つには、日本のリサイクル技術の発展が考えられます。

リサイクル技術の発展
リサイクル技術の発展

廃棄物の処理は、人々や自然環境への影響も大きく、国や地域の取り決めがなされるたびに
対策を講じることで、リサイクル技術の向上・多様化が進んできたともいえます。
またエネルギー資源の少ない日本だからこそ、資源の有効活用としてリサイクルという考え方が浸透しやすかったのかもしれません。

日本の誇れるリサイクル技術

・油田装置
プラスチックを油に戻し、活用する方法。
プラスチックを加熱し[固体]⇒[液体]⇒[気体]へと変化させ、最終的に気体を冷却して油に戻す。
活用できない種類のプラスチックもあるが、世界各国で導入実績がある。

・焼却灰の再利用
焼却された廃棄物を、その後土木資材としてマテリアルリサイクルさせ、土木資材会社に全量売却している。
さらに、焼却時の熱エネルギーは、サーマルリサイクルとして活用される。

リサイクルの両面性を理解すること

前回の記事では、世界と比べると日本のリサイクル率(サーマルリサイクルを除く)は低いこと、
そしてサーマルリサイクルに頼ることは、再利用可能な資源も燃やしてしまうリスクがあることについて言及しました。
 
しかし一方で、例えば焼却灰の活用などのように、
リサイクルの抱えるデメリットやリスクを少しでも軽減しようと、日本では独自の技術を発展してきました。

リサイクルにはメリットだけでなくデメリットも含まれているという両面性を理解することで、
新たな発想や視点が生まれていくのではないでしょうか。

次回は、日本のリサイクル技術向上の契機にもなった、リサイクルに関する法律についてご紹介します。

環境省 日本の廃棄物処理の歴史と現状

環境ビジネスオンライン 「産業廃棄物の最終処分場、首都圏はのこり4.8年でいっぱいに」,2018年4月17日,

東京臨海リサイクルパワー 先進的なリサイクル技術と環境への貢献