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2018.08.17

私達の「ごみ拾い」を世界中へ広めよう

  • ゴミ処理

私達の「ごみ拾い」を世界中へ広めよう

 先日のW杯ロシア大会の試合後に日本人サポーターが会場の「ゴミ拾い」を行ったと海外メディアなどが報じ、世界中のSNSで話題となり、賞賛されています。
 読売新聞「晴れの会場でゴミ拾い ニッポンの美徳」(2018年5月30日)によると、サポーターによる観客席のゴミ拾いは、日本がワールドカップに初出場した1998年のフランス大会から行われているといいます。
 さらに近年、「日本人のゴミ拾い」は進化し、応援の際、サムライブルーの「青いゴミ袋」を試合中は膨らませて応援し、試合後にそのゴミ袋でスタジアムに生じたゴミを集めていました。
 また、ゴミ拾いの輪は各国のサポーターに広がっていきました。コロンビア戦を現地で観戦したというあるTwitterユーザーは、試合後にコロンビアサポーターがお祝いの言葉をかけて、青いゴミ袋を手にして一緒にゴミを拾ってくれたと投稿していました。また、同試合後に行われたセネガル対ポーランドの試合後にも、セネガルのサポーターがゴミ拾いを行っていました。20日に行ったウルグアイ対サウジアラビアの試合後にも、ウルグアイのサポーターがゴミ拾いを行ったと報じられています。
 しかし、元々我々日本人にとって、「当たり前のことをしてるのに、何故そんなに褒められるかわからない」と思うはずです。
 本来、客として使用した場所を客自身で清掃することは、現地清掃員の仕事を奪ってしまう可能性があるため、世界基準では「普通ではないこと」なのです。普通のことであれば、世界中のメディアで取りあげられたりしないはずです。海外の文化が違えば、ゴミに対する考えも違います。
 しかし、そもそも、日本人はいつから、なぜごみ拾いを始めたのでしょうか?そして、どこに起源があるのでしょうか?

戦時中からあるごみ拾いの活動

 日本のごみ拾い活動は、首都・東京ではじまったとされています。東京都公文書館の小野美里さんによれば、以後の首都美化運動の原型を形づくったのは、1954年に開始された「街をきれいにする運動」だといいます(『東京都公文書館調査研究年報(2018年第4号)』)。これは、戦後の危機的な社会経済状況から脱し、国内外からの観光客の増加や国際イベントの開催によって「外」からの目が意識されるようになったことを背景に、1954 年4月から東京都によって1年間実施されたものです。今や世界的に「きれいだ」とされる東京も、当時はとても汚い状況でした。その原因として、戦災により打撃を受けたインフラの整備が十分に進まないまま人口や産業が集中し、ごみの処理や下水の処理が追い付かなかったことが大きかったということがあげられます。さらに、小野さんは「公共の場を汚さない」という都民の意識の欠如も、問題の一因であったのではないかと分析しています。
 そのような中はじまったのが、この「街をきれいにする運動」です。これは、単にごみ拾いをするというものではなく、都民の公共意識の高揚を狙って行われたのだそうです。計画の実施にあたっては、公園・街路・駅前の美化・公衆トイレの清潔保持などを実行することが掲げられました。運動を推進するため、団体・個人の表彰やモデル地区を設定しただけでなく、標語やポスターの掲出、メディアの利用、コンクールの実施、学童の作文募集などの周知活動も行われました。戦後の厳しい財政の中で、都が清掃をすべて担うのではなく、都民の意識を高揚しつつ、みんなの力で首都をきれいにしようとしたのです。

日本人が世界の手本に

 2020年オリンピック、海外の方達が一斉に日本にやってきます。その時に、海外の方がゴミのルールをしっかり把握し、日本の街がゴミで溢れないような対策を早急に行う必要があります。
 今回のサッカーワールドカップでの日本人の行いは、他国のサポーター達の心を動かし、ゴミ拾いをしてくれるようになりました。このように、行動で示し、それを真似してくれる人がいることで「ゴミを出さない、持ち帰る」という意識は広まるでしょう。
 今度は、日本人だけに留まらず、各国の力でオリンピックをきれいにしようという気持ちを忘れず、私達日本人が、世界の手本となれるように行動しましょう!

北野幸伯,「サッカーW杯で「日本人のゴミ拾い」が絶賛された意外な理由」 ロシア政治経済ジャーナル,2018年7月6日 (最終閲覧日:2018年8月15日)

日経カレッジカフェ,「W杯で世界が注目 日本人はなぜゴミを拾うのか その起源は?」 東京都公文書館調査研究年報(2018年第4号),2018年7月19日 (最終閲覧日:2018年8月15日)

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