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暮らし 社会 2020.08.10

動物遺棄問題から捉える「共生」

リサーチの背景

 日本では度々ペットブームが巻き起こる。2020年の春、新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が増えたため、動物を家族に迎える良い機会であると話題になっているのを目にした。動物と生活を共にすると、毎日のように新しい発見があり、心が豊かになる。しかし、ブームの裏で起こっている深刻な問題もある。それらに焦点を当てながら、ペットとの共生について考えてみる。

疎まれるペットたち

 動物にも人と同じく気質の違いがあり、こちらの想定外の行動(下記「ペットの問題行動の例」)をとる事がある。対処できないまま誰にも相談できず抱え込むと、次第に動物と向き合えなくなっていく。そうした場合、手間がかからない「手放す」という手段に心が揺れてしまうだろう。
 そのような経緯で野生化した動物は、やがて地域全体に危害を及ぼす。最近では猫までもが問題視されており、糞害を始めとした生活被害や、地域の動物を脅かす狩りなどが挙げられる。本来愛されるべきペットが遺棄により社会に不利益をもたらし、疎まれてしまうのは本望ではないはずだ。

 

<ペットの問題行動の例>

 

保護されれば幸せなのか

 生活被害をもたらす動物は、自治体の保健所や民間の動物愛護団体に引き取られる。国によって健康な動物は譲渡を推奨するが、日本では殺処分されることも少なくない。
  2012年の動物愛護法改正から安易な引取り申し出の拒否や、返還・譲渡の推進で、引取りと殺処分は減少傾向にある。それでも2018年には犬猫合わせて91,939頭が保護され、内42%にも及ぶ命が失われた。当然ながら施設の人員や収容能力には限りがあり、全ての動物を抱え続けることは現実的ではない。保護されたとしても、次の家族に巡り合い幸せな一生を過ごせるとは限らないのだ。

 

<犬猫の引取り数と殺処分数の推移>

 

共生とは尊重する事

 遺棄は、飼い主とペットが良い関係を築けなかった結果である。目の前に起こる想定外の出来事を受け入れるには、「共生」という考え方が必要だ。共生とは、価値観の違うものと関わりながら、互いを尊重し合うことを意味する。相手の立つ環境に向き合えば、物事を多角的に捉えられるようになる。そうして視野が拡がれば、相手の行動や反応に冷静かつ柔軟に対処できる。
 このような考え方はあらゆる問題解決において有効だろう。人、生物、文化、経済、自然との共生は、持続可能な社会実現の根幹ではないか。

 

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参照・引用資料

  • (公財)日本動物愛護協会, 「飼い主に必要な10の条件」(https://jspca.or.jp/think10.html)
  • 環境省, 「希少種とノネコ・ノラネコ」(https://www.env.go.jp/nature/kisho/noneko.html)
  • 国会図書館, 「諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況―イギリス、ドイツ、アメリカ―」(https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8748098_po_0830.pdf?contentNo=1)
  • 環境省, 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html)
  • 環境省, 「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/project/practice_take.html)

 

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この記事を書いたアナリスト

サティスファクトリー編集部

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