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コラム 2021.02.05

不法投棄から見る「廃タイヤのリサイクル」

悪質な廃タイヤの連続不法投棄、過去10年の現状

2020年11月のとあるニュースのご紹介から。

 

“10月下旬に京都市伏見区内の排水路の同じ場所で2回にわたり車の廃タイヤ計約400本が相次いで捨てられているのが見つかった”
“しかも排水路の管理団体が自費で撤去した翌日に2回目の不法投棄がされていた”
(参照:2020/11/7京都新聞

 

この10年、廃タイヤの発生量は約100万トン前後を推移していて、不法投棄件数及び重量は約半減しました。それでも、認識されている範囲だけで毎年約3万トンが不法投棄され、その重量はおよそ300万本に値するのです。

 

廃タイヤの発生量と不法投棄の推移

 

・自治体が不法と認識しているもので、1件あたり、1,000本以上の案件を集計
・廃タイヤの重量は、10kg/本として集計
(一般社団法人日本自動車タイヤ協会の資料をもとにサティスファクトリー作成)

 

業界としての不法投棄対策

廃タイヤの不法投棄は、前出の通り、減少傾向にあるものの一定量が発生しています。この状況に、一般社団法人日本自動車タイヤ協会は「原状回復支援制度」で不法投棄された廃タイヤの撤去費用を支援し、15年間で累計22事案、3億6,213万円にのぼります。(2005~2019年度)

(参照:一般社団法人日本自動車タイヤ協会

 

廃タイヤのリサイクルは微増、燃料利用が主流

国内の廃タイヤのリサイクル量は10年かけて年間90万トンから95万トン程度に微増しており、その主な方法には大きく分けて3つあります。

 

▼ サーマルリサイクル(約66.7%)

代替燃料:
廃タイヤをそのままの形状、あるいはチップ状に加工したものを発電やボイラーなど適切な設備環境のもと燃焼させることにより、熱及び蒸気を有効に活用する。

 

▼ マテリアルリサイクル(約17.5%)

更生タイヤ台:
台タイヤ(タイヤの基礎部分)を活用して、路面に接するトレッド部分に新しいゴムを貼り付けて再利用する。

再生ゴム:
ゴム粉から不純物を取り除き、化学的及び物理的な処理(脱硫)を施し、ゴムマットやホース、工業用ベルトなど工業用品に活用する。

 

▼ 海外輸出(約15.8%)

中古タイヤ:
中古タイヤや更生タイヤとして再利用する。日本から輸出される廃タイヤの約98%程度はこの方法をとる。

 

廃タイヤのリサイクル内訳推移

 

 

今後の廃タイヤのリサイクル

「サーマルリサイクル」は、これまで廃タイヤ処理の主流でしたが、課題もあります。

・ 利用先の4割を占める製紙業界は、昨今のペーパーレス化等の影響により利用量が減少。
・ 燃料利用は、廃棄物由来の他燃料や安価な輸入品との競合により利用量が減少。
・ CO2排出による環境負荷が他のリサイクルよりも大きい。

今後は、廃棄量自体の減少もさることながら「リユース」「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」の技術革新と普及が必要になると思われます。特に、国際比較で著しく普及率が低く、成果を得やすいのは「更生タイヤ(リトレッドタイヤ)」です。新品と比較して6割を超える資源削減やCO2排出削減が見込まれるにも関わらず、トラック・バス用タイヤでの普及率は、米国が52%、ドイツ43%、日本が18.2%と大差が開いています。すぐに運用可能な技術でもインパクトは侮れません。また、国外では「ケミカルリサイクル」が徐々に浸透しはじめ、ポートフォリオを変えていくきっかけになることと思います。

 

不法投棄から見る「廃タイヤのリサイクル」の現状と展望をお伝えしました。皆さまのご参考になりましたでしょうか。今後も廃棄物や資源に係る最新情報をお届けしてまいります。どうぞお楽しみに!

 

 

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この記事を書いたアナリスト

サティスファクトリー編集部

サティスファクトリーコンテンツ編集部です。 環境のことについて、今できることを考え情報を発信しております。

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