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杉並区のゴミ、粗大ゴミ、産業廃棄物の処理地域毎のゴミ処理について

杉並区のゴミは高井戸東にある杉並清掃工場で処理されています。 1日600トンのゴミを焼却する能力を持っている清掃工場で、建設に当たっては、「東京ゴミ戦争」と呼ばれる強い反対運動も起きました。 今回は、このような歴史もある杉並区のゴミ処理について紹介します。東京23区の中でも特に積極的にゴミ問題に取り組んでいるのが杉並区で、活動の成果も上がっています。 この杉並区のゴミ処理事情や取り組み、ゴミ出しのルールについて見ていきましょう。

品川区のゴミ処理の実情

杉並区では、「ごみを限りなくゼロにする社会の実現」を目指し、ゴミの減量に取り組んでいます。 平成20年に約14.9万トンあったゴミ収集量は、平成29年には約13.3万トンまで減少しました。資源回収についても、収集されたゴミ・資源の内の資源回収量である資源回収率が、平成20年の25.9%から平成29年の27.8%に上昇しています。 また、平成29年の区民1人1日当たりのゴミ最が約470グラムと、23区で最小となっています。23区内最小のゴミ排出量は、杉並区のゴミ削減の取り組みと区民・企業の協力で平成23年度から7年連続を記録しています。 これは、杉並区から出たゴミが焼却された後に埋め立てる最終処分場が、50年ほどでいっぱいになってしまうことが背景にあり、平成33年には、区民1人1日当たりのゴミ排出量は450グラム、資源回収率は33%を目指すことが目標として定められています。

杉並区はこの目標を達成するために、「ごみ減量大作戦」と題して以下のような5つの取り組みを行っています。
・生ごみの水分を絞って捨てる「生ごみギュッとひとしぼり」
・ゴミの分別・減量の啓発活動や講座を開催する「協働提案事業『杉並ごみ減量プロジェクト』」
・分別することでゴミが資源化することの周知「混ぜたらごみ、分ければ資源」
・小学生に対する啓発「『分別達人(マスター)への道』ごみへるへるプロジェクト」
・生ごみを肥料化できる生ごみ処理機の購入費補助「コンポスト容器・生ごみ処理機を使ってみよう」

このように杉並区のゴミ排出量減少は、区の積極的な活動や啓発の結果と言えるでしょう。

杉並区民全員の協力を求めるゴミ・資源に関する取り組み

ゴミの減量に積極的に取り組む杉並区では、区民全員にゴミ・資源の分別や正しい出し方を求めています。

外国人向けに翻訳されたゴミ・資源の分別・出し方のルール

杉並区では、英語・中国語・韓国朝鮮語といった外国語で、ゴミ・資源の出し方ルールを細かくまとめた資料を作成し、配布しています。 杉並区の外国人は、平成29年は1.4万人でしたが、平成25年からの4年で4000人以上増加しています。これからの外国人労働者の増加も見越して、日本語がわからなくてもゴミ・資源をルール通りに分別して出すことができるように整備を進めています。

子どもに対するゴミに関しての環境学習の実施

杉並区の区立保育園で、ゴミに関する紙芝居の読み聞かせやゴミの分別ゲームを行ったり、小学校でゴミの現状や分別方法について学びの時間・教育を設けることで、子どもへの環境に対する関心を高める取り組みを行っています。 将来の環境問題を担う子どもたちに、ゴミやリサイクルに関して啓発活動を行うことで、将来的なゴミの減量も見据えていることがわかります。

独自に取り組むカラス対策

杉並区では、全国的に被害が広がっているとなっているカラス問題にも防衛策を打ち出しています。 集積所に屋根がない集積所のためにカラスネットを配布しており、破損した場合には、新しいものを支給し、カラスによる被害を未然に防ぐ取り組みを行っています。 また、杉並区には指定のゴミ袋はありませんが、特殊な材料を使用した、カラス対策に効果があるとされる「黄色いごみ袋」を推奨しています。20・30・45リットルの3種類あるゴミ袋は、杉並区内のスーパーやドラッグストアで購入が可能です。

杉並区のゴミの処理方法

最後は、ゴミ出しのルールを厳しく定める杉並区のゴミ処理方法について紹介します。

一般廃棄物

ゴミの減量・分別に力を入れている杉並区のゴミ・資源の収集は種類によって細かく分かれているため、ゴミ出しには注意が必要です。 ゴミ・資源を出す際はいずれも朝8時までに指定の収集場所に出しましょう。

■不燃ごみ
ガラスや電球乾電池・カイロ・刃物や陶器などは不燃ゴミとして中身の見える袋に入れて出しましょう。スプレー缶・カセットボンベ・ライターも不燃ゴミに分類されますが、他の不燃ゴミとは分け、別の袋に入れて出す必要があります。 月に2回、1回に45リットル袋3つまでと定められています。

■びん・缶・プラスチック製容器包装
飲食用のガラスびん・空き缶は、汚れを落としてから収集場所のコンテナに種類ごとに分けて出します。びんは黄色のコンテナ・缶は青のコンテナ、ペットボトルは網状の回収容器と、出す容器・コンテナも決められています。 プラスチック製容器包装はプラマークがついている容器や包装が対象となっており、週に1回回収が行われます。魚・肉のトレイやインスタントラーメンのカップ・発泡スチロールなどは中身の見える袋に入れて出しましょう。

産業廃棄物

産業廃棄物は、原則ゴミの排出事業者自らが管理・保管・処理を行うか、廃棄物処理業者に処理をいたくすることが義務づけられており、管轄は東京都です。 ただし、小規模事業者の少量の産業廃棄物に限っては、杉並区が有料で回収・処理を行っています。 産業廃棄物の処理は、許可を受けた処理業者・運搬業者のみと契約を結ぶことができます。その業者が処理できない産業廃棄物の処理を依頼した場合には、罰則が科されるため注意が必要です。産業廃棄物は細かく種類が分かれており、特に特別管理産業廃棄物と呼ばれる危険性や環境汚染などのリスクが高いものについては、厳重な管理・処理が求められています。 契約に当たっては、許可業者の許可証の写しや、処理可能な業者である証拠となる認定書や書面を契約書に添付しなければなりません。 産業廃棄物の処理業者の委託について疑問点がある場合は、「東京都環境局廃棄物対策部産業廃棄物対策課」もしくは「一般社団法人東京産業廃棄物協会」に問い合わせてみましょう。 杉並区では、事業系のゴミは産業廃棄物でなくても、全て有料で処理されているため、事業家のゴミ・資源を杉並区に出す場合は、「事業系有料ごみ処理券」を購入・添付しなければなりません。産業廃棄物の処理とあわせて留意しておきましょう。

粗大ゴミ・集積所に出せないゴミ

杉並区の粗大ゴミは、事前申し込み制で、処理手数料も支払う必要があります。 粗大ごみは収集希望日の4日前までに、粗大ゴミ受付センターに電話・ファックス・インターネットのいずれかの方法で申し込みを行います。粗大ゴミの回収は申し込み順であるため、早めに申し込まないと希望日に回収してもらえない可能性もあります。 粗大ゴミの回収の申し込みが済んだら、「有料粗大ゴミ処理券」を購入し、1つずつの粗大ゴミに張り付けて、自宅や集合住宅の前や入口周辺に出します。有料粗大ゴミ処理券には、氏名または受付番号を記入する必要があるため、事前に準備しておきましょう。有料粗大ゴミ処理券Aが200円、有料粗大ゴミ処理券Bが300円となっています。 また、日曜日に粗大ゴミの持ち込みを申し込むことも可能です。この場合、手数料は一律400円となっています。身体的・年齢的な問題から指定の場所に粗大ゴミを出せない方は、運び出しの相談を清掃事務所に相談が可能です。 一方で、収集所に出すことができないゴミも存在します。 水銀の体温計や血圧計は、区役所や杉並清掃事務所などの指定の回収拠点へ持ち込む必要があります。リサイクルが可能な衣類は、第2土曜日に地域区民センターやリサイクルひろば高井戸などの回収拠点に持ち込めます。 家電リサイクル法で定められた冷蔵庫・エアコン・テレビ、パソコンリサイクル法で定められたパソコン、小型家電リサイクル法で定められた携帯電話・ゲーム機・デジカメも杉並区では回収できません。リサイクルセンターや専門の処理業者・家電店などに処理を申し込む必要があります。 このように、処理に注意が必要なゴミは持ち込みが必要であったり、リサイクル可能な品は積極的にリサイクルショップやフリーマーケットなどの利用が推奨されるなど、配慮が必要なゴミの処理には区民の協力が必要です。

まとめ

東京都内の中でも特にゴミの分別や減量に力を入れている杉並区では、7年連続23区内の最小ゴミ排出量を記録しています。 将来的なゴミ問題に対処する子どもたちにゴミ分別や減量に対する啓発活動も積極的に行っていたり、外国人向けにゴミ出しルールの資料を作成したりと、杉並区全体でゴミ問題に取り組んでいます。 その分、ゴミの分別や資源の出し方などは厳しくなっているため、転入して来た方はゴミ・資料の分別・出し方には注意が必要です。

※当記事は公開当初の情報に基づき執筆しております。(最新の情報は行政HPをご確認ください。)

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